「スーツだけの会社」ではない—。
AOKIホールディングスと聞いて、真っ先に思い浮かべるのはビジネススーツかもしれません。けれども、その実態は、快活CLUBやFiT24、結婚式場「アニヴェルセル」など、複数の事業で構成された多角化経営をしております。
特に近年では、エンターテインメント事業が業績をけん引しており、その姿は一昔前の“紳士服専門店”のイメージとは大きく異なります。
株式会社AOKIホールディングスの事業構造とセグメント別の業績をみていきます。
結論
- AOKIホールディングスは、ファッション事業、エンターテインメント事業、アニヴェルセル・ブライダル事業及び不動産賃貸事業を営みます。
- エンターテインメント事業は、㈱快活フロンティアが運営する快活CLUBがあります。
- 快活clubは売上高利益率が高く、全社の業績向上に寄与しております。
- ファッション事業も売上高と利益率が高く、AOKIホールディングスの業績をけん引します。
AOKIホールディングスの子会社
AOKIホールディングスは複数の子会社を抱えております。主要な完全子会社は、ファッション事業を展開する株式会社AOKI、エンターテインメント事業を展開する株式会社快活フロンティア、アニヴェルセル・ブライダル事業を展開するアニヴェルセル株式会社があります。
AOKIホールディングスのセグメント
AOKIホールディングスのセグメントは、ファッション事業、エンターテインメント事業、アニヴェルセル・ブライダル事業及び不動産賃貸事業の5つがあります。
ファッション事業
株式会社AOKIは、主に郊外のロードサイドにチェーンストア方式で紳士服、婦人服及び服飾品並びにファッション商品を販売する小売専門店「AOKI」を運営します。
また、ショッピングセンターを中心に20代から40代のメンズ及びレディースをターゲットに、「ORIHICA」を展開しております。
エンターテインメント事業
株式会社快活フロンティアは、複合カフェ「快活CLUB」及び24時間型フィットネスジム「FiT24」並びにカラオケルーム「コート・ダジュール」を運営します。
また、株式会社ランシステムは、主に複合カフェ「スペースクリエイト自遊空間」を運営します。
アニヴェルセル・ブライダル事業
アニヴェルセル株式会社は、ゲストハウススタイルの挙式披露宴施設を展開しております。
また、アニヴェルセル表参道は、記念日をコンセプトに誕生しチャペルやパーティースペースのほか、パリスタイルのカフェを併設しております。
不動産賃貸事業
AOKIホールディングスは、主にグループの閉店店舗をグループ内及び外部へ賃貸すること並びに大型物件を賃借し、グループ内外へ賃貸する事業等を行います。
AOKIホールディングスのセグメント業績
2024年3月期(第48期)の有価証券報告書を用いて、2023年4月から2024年3月のセグメント業績を確認します。金額の単位は百万円です。
売上高 | 利益 | 利益率 | |
---|---|---|---|
ファッション事業 | 100,038 | 8,082 | 8.07% |
エンターテインメント事業 | 75,545 | 5,454 | 7.21% |
アニヴェルセル・ ブライダル事業 | 10,259 | 57 | 0.55% |
不動産賃貸事業 | 6,051 | 1,312 | 21.6% |
セグメント業績をみると、売上高、利益が最大なのがファッション事業です。
2025年3月期の決算説明会によると、客単価の上昇等により既存店が堅調に推移し、4期連続の増収増益となったようです。祖業が安定した収益を獲得しております。
2番目に売上高と利益が大きいのがエンターテインメント事業です。
客数の増加及び客単価の上昇等により既存店が堅調に推移し、4期連続の増収、セグメント利益は過去最高益を達成しました。
アニヴェルセル・ブライダル事業は売上高こそ3番手ですが、利益がわずかです。
不動産賃貸事業は、利益率が最大のセグメントです。ただし、不動産賃貸事業の売上高のうち、グループ内での売上高が4,260百万円なので、多くはグループ内取引であります。
したがって、利益の多くもグループ内で発生していることが示唆されるので、不動産賃貸事業の解釈には注意が必要です。
参考
2025年3月期決算説明資料
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